応援メッセージ

「フリーエージェント社会の到来」 著者 ダニエル・ピンク氏

photo_pink_lプロフィール
1964 年生まれ。米国ノースウエスタン大学卒業、エール大学ロースクールで法学博士号(J.D.)取得。
米上院議員の経済政策担当補佐官を務めた後、クリントン政権下でロバート・ライシュ労働長官の補佐官兼スピーチライター、1995 年から 97 年までゴア副大統領の首席スピーチライター。フリーエージェント宣言後、ファストカンパニー誌やニューヨーク・タイムズ紙、ワシントン・ポスト紙をはじめとするさまざまなメディアにビジネス、経済、社会、テクノロジーに関する記事や論文を執筆。ワシントン D.C.在住。

Welcome to Free Agent Nation.

Free Agent Nation (general)

Legions of people in Japan, as well as elsewhere in the world, are abandoning one of the Industrial Revolution’s most enduring legacies – the “job” – and forging new ways to work. They working for themselves rather than for a large organization, navigating their lives according to their own values and interests rather than the dictates of a boss.

Power is devolving from the organization to the individual. The individual, not the organizaiton, has become the economy’s fundamental unit. Large permanent organizations with fixed rosters of individuals are giving way to small, flexible networks with ever-changing collections of talent.

Free agents have refashioned the old work ethic into a new credo of work composed of four key elements: having freedom, being authentic, putting yourself on the line, and defining success on your own terms.

-ICA (Independent Contractors Association)

ICA is made up entirely of individual contractors including IT engineers, education specialists, business consultants, freelance writers, etc. They are all willing and committed to be independent. However, much of society still clings to old 20th century paradigms. Banks, insurance companies and governments tend to think little of individuals simply because they are not associated with an organization, even though such individuals have the potential to create great value for society.
This situation is not unique to Japan.
ICA wants to improve this situation for individual contractors. I will be supporting ICA and it’s members from Washington DC.

Daniel Pink


フリーエージェント社会へようこそ

フリーエージェント社会の到来

産業革命が残した遺産で、今日まで永らく存続している制度の一つに「雇用」がありますが、最近日本では、この「雇用」という概念を投げ捨て、労働の新しい形態を追求する人々が増えています。日本だけでなく世界の他の国々でも同様です。大きな組織のためではなく自分自身のために働き、上司の命令ではなく自分自身の価値観や関心に従って自らのキャリア・ライフを切り拓くという生き方です。

今日、社会を動かす力は組織から個人にシフトしつつあります。会社組織ではなく個人が経済活動における基本的な単位になっています。固定的な社員メンバーで構成される恒久的な大規模組織に代わって、有能な人材がその都度集まって形成される小規模で柔軟性のあるネットワーク組織が、経済活動の中心になりつつあるのです。

このような個人が独立して働くフリーエージェント社会の到来によって、労働に対する古い倫理観は、全く新しい労働価値観に生まれ変わりました。自由であること、ありのままの自分であること、自身の仕事に責任を負うこと、自分にとって何が成功であるかを理解していること、この4つを信条とする新しい労働価値観です。

インディペンデント・コントラクター協会について

インディペンデント・コントラクター協会(ICA)は、IT関連のエンジニアや教育の専門家、事業コンサルタント、フリーランス・ライターなど、独立した業務請負人だけで構成される組織です。彼らは皆、自らの意思で組織から独立し、自らの責任で業務に取り組む人たちです。しかし社会の大半は、現在もなお、前世紀的な古い労働のパラダイム(枠組み)にしがみついています。銀行や保険会社、役所なども、個人は組織に属していないというだけの理由で、独立して働いている人たちを軽視しがちです。実際は、そのような個人の方が社会の中で大きな価値を生み出す可能性を秘めているのですが、会社組織を重視する姿勢は今もなお残っています。これは日本だけに見られる傾向ではありません。

インディペンデント・コントラクター協会は、こうした状況を改善し、個人の業務請負人を支援するために活動する組織です。私も米国ワシントンから、同協会の活動を支援し、会員の方々を支えて行きたいと考えています。

ダニエル・ピンク

翻訳 石川正志氏(IC協会会員)